「お料理すること、食べること」
日常の幸せを教えてくれる、ふたごの物語
「ぼくらの なまえは ぐりとぐら。このよで いちばん すきなのは……」この有名なフレーズを聞くだけで、優しいカステラの香りが漂ってくるようです。
1963年の誕生以来、日本中の子どもたちの憧れであり続ける野ねずみの物語。どう読み聞かせに活かしますか?
はい、SIKOMU編集部です。今回紹介する絵本は分かち合う喜びが詰まった物語です。
この絵本のあらすじ
お料理することと食べることが大好きな野ねずみのぐりとぐらは、森の奥で大きな卵を見つけました。二人はさっそく、その卵で大きなカステラを作ることにします。
甘い匂いに誘われて、森中の動物たちが次々と集まってきました。フライパンからはみ出しそうなほどふっくら焼き上がったカステラを前に、楽しい時間が始まります。
「自分たちだけで食べる」のではなく、みんなで囲む食卓の温かさが描かれています。
ぐりとぐら
鮮やかな黄色いカステラは全世代の憧れ。リズムの良い言葉選びが心地よい一冊です。
「分かち合う」という本当の豊かさ
特別なごちそうを、みんなの笑顔に変える魔法
見つけた大きな卵を独り占めしようとしないぐりとぐら。彼らの軽やかでフラットな優しさは、大人の凝り固まった心を解きほぐしてくれます。
「足りるかな?」という心配よりも「みんなで食べよう!」というワクワク感。このポジティブなエネルギーこそが、長年愛される理由です。
大人が読むと、日々の忙しさで忘れかけていた「分け合うことの純粋な楽しさ」を思い出させてくれます。
この物語を読んで感じたこと(感想)
みんなでカステラを食べ終えたあと、残った卵の殻がどうなったか覚えていますか?
この物語の美しさは、何一つ無駄にせず、すべての経験を「遊び」と「工夫」に変えてしまう彼らの生き方にあります。ラストに訪れる爽やかな満足感は、読後感をとても豊かにしてくれます。
ただ「美味しい」だけじゃない。お腹も心も満たされる、まさに人生の「充足感」を絵本という形に凝縮したような傑作です。
振り返り:この本が教えてくれたこと
「働くこと(準備すること)の楽しさ」と「誰かと食事を囲む幸せ」を、飾らない言葉と柔らかな絵で描き出した物語。
効率や結果ばかりを求めがちな私たちに、「作るプロセスそのものを楽しむ心」の大切さを優しく語りかけてくれます。
ぜひ、週末のゆったりした時間の中で、お子さんと一緒に、あるいはお気に入りの飲み物を片手に読み返してみてください。
この絵本を読んだあと
少しだけ変わる「食卓の時間」
美味しいものを食べたとき、真っ先に誰の顔が浮かびますか?
その誰かと喜びを分け合うことができたなら、それはどんな高級な料理よりも、あなたを心の底から満たしてくれるはずです。
ぐりとぐらのように、鼻歌まじりでお料理を楽しんで、最後はみんなで笑い合う。そんなシンプルで美しい幸せを、大切に育てていきましょう。
ぐりとぐら
鮮やかな黄色いカステラは全世代の憧れ。リズムの良い言葉選びが心地よい一冊です。

